
2004年10月23日に発生した中越地震は、中越の広範な地域に未曾有の被害をもたらしましたが、その一方で、災害対応や復興について貴重な教訓をもたらしました。災害はいつ、どこで起こるかわかりません。中越地震での被災と復興の経験を、日本全体で活かしていくことは強靭な国づくりにつながります。「中越防災安全推進機構」は、中越地域の教育、研究機関の集積を生かして、多様な主体(行政、教育・研究機関、企業、個人など)が連携、参画することで、中越地震に関する記録や研究活動を推進・支援するとともに、研究成果を安心・安全な地域づくりや防災安全産業の振興に役立てます。
中越地域における震災の復興は未だ途上ですが、これを成し遂げるとともに、この被災・復興にかかわる経験を蓄積し、全国に発信し、いざという時の復興活動や地域づくりに活用してもらうことは、中越地域が果たすべき役割でもあります。「中越防災安全推進機構」は、これを率先して行なう活動母体となります。
これらの活動は、中越地域の大学や研究機関、行政などの連携が母体となっていますが、実際の活動では、さまざまな専門家と市民の協働により、中越発の防災における「安心・安全」を提唱していくものです。こうした枠組みは先進的な社会システムとしても注目されるものでもあります。ここに紹介するさまざまな活動予定は、その主役となるみなさんの参加を待っています。
コンソーシアムを結成した長岡技術科学大学、長岡造形大学、長岡大学、長岡工業高等専門学校、防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの5機関は科学技術、デザイン、地域経済、工学、自然科学というそれぞれの特色を活かしつつ共同調査研究を実施するとともに、成果を公表して地域社会に還元する。
現在、長岡技術科学大学、長岡造形大学はスペシャリスト育成の大学院があるが、関係機関は社会人対象のジェネラリスト養成の大学院を創設する。
21世紀都市社会の防災安全に関する基本哲学・思想を確立する。
地域コミュニティの防災安全活動の中核を担うとともに、市民と行政、企業の仲立ちをする「市民防災安全士(仮称)」を育成する市民大学講座を開講する。防災から出発するが長期的に防犯、教育、福祉、子育て等の分野にまで対象を広げる。
平成16 年度、17年度の豪雨、地震、豪雪と続いた災害で得られた教訓を共有化すべく、自治体防災担当職員対 象の講座を開設する。
中越地方には退職者も含めて河川、砂防、林野、雪等の諸分野の人材が豊富である。こうした専門家の知識、技術、ノウハウ等が実社会で活かされるよう人的ネットワークを形成し、研修、訓練を行う。
中越の災害の人材、技術はアジア地域の防災に有効であることから、外国人留学生の招致も含めて途上国支援の体制を整備する。
平成16、17年度の災害に関する映像、データ、記録等に誰でもがアクセスでき、活用できるシステムを構築し教育、観光等に活用するシステム整備を行う。
ハードな防災対策だけでなく、災害時の事業継続計画、保険、融資等も含めてソフトな防災安全産業を育成する。
中越地方のものづくりの技術、人材を活かし防災機器や設備の開発や商品化の支援を行う。